自分という飛行機を失速させない

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【自分という飛行機を失速させない】

 

 

仕事で訪問したある街で、お昼ご飯を食べに、創業60年という寿司屋に入りました。

80歳近い大将が、一人でやっている店でした。

 

 

その寿司屋の大将は、今も自分で築地に魚を仕入れに行っているそうです。

「自分でネタの良さを確かめ、価格を確認して仕入れないと商売なんてできない」と、大将はおっしゃいます。

 

 

「アベノミクスで景気が良くなるとかいうけど、俺の肌感覚では、まだまだだねえ。」

 

 

築地の活気や、どこの店がどの位の量と価格で仕入れをしているか、店にならぶ魚の量、購入後発送に回されるケースの量だとかを見ると、60年もやっていると、すぐに、景気の状況がわかると言います。

 

 

その大将が、店を60年つぶさずに、続けて来られた秘訣があると言った言葉が、

 

 

「自分という飛行機を、何があっても失速させてはいけない!」と。

 

 

また、

 

 

「高度は、俺たちにとっては3000メートルとかの低空でいいんだよな。高度1万メートルとかの高い高度を飛ぶのは、大企業が大型ジェット機のように飛んでりゃよくって、俺たち小型のプロペラ飛行機には関係ない」とも。

 

 

「それでも、富士山とか、ちょっと低空飛行をすると、障害物にぶつかるかもしれないので、そこをうまく避けるように、先を見ながら操縦する腕と覚悟が必要なんだ。」

 

 

「病気をするのも、機体不良と一緒なので、健康にも気を付けないと。」

 

 

「一所懸命にやると、ある程度までは、成功するんだよね。それを、続けるのが難しいんだなあ。」

 

 

ニコニコと笑顔で話してくださる大将は、好々爺という雰囲気でしたが、ちょっと厳しい表情になった時がありました。

 

 

「築地が移転するまでは、商売を続けるけども、移っちゃったら店は閉める予定なんだよね。」

「自分の目でネタを見て仕入れないなら、やっちゃいけないんだよ。そんなに甘いもんじゃないよ。」

 

 

平日のランチのひと時でしたが、年末に、とても、深く考えさせていただける話を伺う機会となりました。

 

 

100年以上続くような、長期に経営を継続できている企業は、世界的で日本が一番多いそうです。

 

 

売上、利益をあげることは非常に重要ですが、その事業戦略が一過性で短期志向が過ぎるものではなく、中長期の期間にも通用するものである必要があります。

 

 

派手さはなくとも、健全に利益を出し続けて、経営を長く継続するというとても本質的な事を、わかりやすい言葉で教えていただいた、出来事でした。

 

 

 

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