1億円のクッション

過去に法人税で配当軽減税率という、利益配当をすると法人税の低い税率が適用されて納税額が少なくなるという税制があり、それの適用廃止が決まった時期がありました。当時、日英の親会社2社が合計で100%株式を保有しており、配当は親会社に対するもので、グループ外に資金流出するものではないですが、法人税は国庫に行くので、グループ外に資金流出するの ...続きを読む
正式発表前のフライング

多くの企業が中期経営計画を策定しています。3年後を予測する。当てもの、推測ではなく、3年後経営状況をどのようにもっていきたいかという経営者の目標設定と言い換えることができるかもしれません。ですから、事業計画をたてる財務諸表に大きな影響を与える、売上、原価、多額の費用、投資、採用計画に基づく人件費等の前提条件を戦略的に、かつ論理的に整 ...続きを読む
税務担当ではなく、ビジネスマンとしてのコメント

ある時、米国本社を絡めて新規事業を行うに際して、税務上気になる課題が想定されました。当時の上司は私に、「この件、調べて報告をしてくれ」と指示されました。 私は、もともと、会計事務所で税務担当をしていたので、税務上の取り扱いを調べることは、慣れているといえば慣れているので、該当する領域の規定を法律、施行令、施行規則、取扱通達等を ...続きを読む
日本の上場企業との合弁会社

グローバル展開している外資系企業は、売れる商品・サービスを持っていても、各地域、各国での市場参入にかける時間とコストを削減する必要があります。そこで、各市場での主要プレーヤーと、共同でプロモーションする際に、合弁会社を設立して共同販促を行うということが、よく行われます。 私も、提携先企業である日本国内の上場大手企業と合弁会社設 ...続きを読む
米国企業と日本企業の資金管理の違い①

コーポレートファイナンスの考え方からすると、現預金だけでは、想定している企業価値を向上させるだけの利回りを得ることが難しいため、その中でも無駄をなくし徹底的に管理するのが、アメリカの主要企業のTreasury(資金管理)部門の役目なのです。 ある時日本企業と設立した合弁会社において、利益配当を日本円で支払う際に、同様のケースがあり、合弁 ...続きを読む
入社時から半年間での出来事

満30歳で、NY上場の年商円換算約8,000億円の企業の日本法人のCFOとして採用されたことがありました。日本国内での日本法人社長、日本担当の役員の面接のあと、米国本社での採用面接が朝から夕方まで、それも、同様に翌月も呼ばれ、合計2回も行われ、また英語での面接だけではなく、日本で監査法人の公認会計士にも業務レベルが通用するかの判断をすると、公 ...続きを読む
日本にいるから価値がある

日本法人、韓国法人、アジアパシフィックでの経営メンバーを経験して数年経ったときに、のちにCEOに昇進することとなる米国本社のCFOに尋ねたことがありました。 「俺はアメリカ本社で働くチャンスはないですか?」 超ストレートに、私の下手くそな英語でも、間違われずに伝わったと思います。CFOは、しばらく「うーん」と考えた後に、「Mashieは ...続きを読む
韓国法人、アジア通貨危機

1997年、ジョージソロスという投資家が、発展途上国や新興国の通貨が過剰評価されていることを是正するという名目で大量の新興国通貨売りを仕掛けた結果、タイバーツをスタートにマレーシアリンギッド等軒並みアジア新興国の通貨危機という大嵐が吹き荒れました。 当時私は、韓国現法のCFOを兼務しており、毎月第3週の1週間ソウルのオフィスで仕事をす ...続きを読む
日本法人M&Aによる買収時の出来事

米国本社が、売上金額、事業展開国数、社員数等、どの数値をとっても2倍の規模の企業を買収したことがありました。日本においても、製造工場をもつ日本法人があり、日本法人同士を合併させる手続きが必要でした。 CFOとして、事業計画や、人事・組織、情報システム、会計処理等、様々な合併に向けた手続きを進めていきました。そうした中で、買収時に廃 ...続きを読む
内部統制での指摘事項

上場企業において、日本企業でも内部監査が行われているかと思います。外資系企業には、多くの企業にInternal Audit(内部監査部門)があり、私が勤めていた会社では、内部監査の結果報告は担当役員を介さずに内部監査の責任者から、直接本社CEO、CFO、担当役員等に、同時報告がなされていました。事業担当役員が途中で、握りつぶすだとか、報告内容を変えると ...続きを読む