年商〇〇億円達成! この達成って動詞???

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昨年度の売上高、たとえば30億円を達成しました。

今年度の事業計画で、売上30億円の達成を目標とする。

 

この金額の大小はともかく、表現自体は極めて普通の表現で、よく耳にされるフレーズかと思います。

 

ところで、この「達成する」って、国語で習った、動詞とか名詞とかの品詞はなんでしょうか?

 

国語のテストでは、動詞と書くと正解なんだと思います。

達成するという動作を表す言葉ですから、国語の勉強としては、動詞というのが正解だと私も思います。

 

でも、この場合は、動詞でいいでしょうか?

私には、ちょっと違和感を感じるんです。

 

朝、仕事の開始前に、手帳、スケジュールを見て、「よーし、今日は売上30億円達成する!」と言う社長、社員の方、組織はあるでしょうか?

 

年商ですから、その日の売上は、ざっと300分の1の1,000万円かもしれませんが。。。

 

では、年商1億円の企業が営業マンを30倍に増員すれば、30億円の売上を達成できるでしょうか?

 

どうも、そう単純な話ではないように感じます。

 

販売業でも、サービス業でも、その増えた売上分に相当する商品・サービスを提供する体制と、売上が増えても劣化しない製品/サービス品質が、単なる数合わせではなく、顧客満足を得られる水準で提供できる必要があります。

 

自動車メーカーのトヨタは、東欧と南米の生産移管と販売網構築を同時に新規に進めようとして、販売網や生産物流体制を構築する兵站が伸びきってしまい、品質と効率を伴った新拠点開発ができずに、一時新規投資を凍結したこともあったほどです。

 

ということは、年商30億円を達成するの「達成する」は、達成するほどの企業の事業展開力が、目指す売上規模に応じて、求められる状態を超えることを示していると考えられることから、私はこの「達成する」という表現の本日的な品詞は、形容詞だと思います。

 

もちろん、社員各自が業績向上のために、自分の組織、自分本人の役割を目標レベル相当かそれ以上の実績を果たす頑張りも重要ですが、その社員一人一人の業務遂行の方向性を一つにまとめて、組織として効率的に業務をすすめる工夫は、その組織の管理職やマネジメントが行う必要があります。

 

企業内の事業活動の、個人レベルの頑張りと、その総和を、1足す1を2以上にする、相乗効果を産み出すマネジメントの方向性、管理職のリーダーシップが融合した事業展開力を高める目標値が、売上目標の「年商30億円を達成する」という言葉に現れるように理解すると、年度予算の実現性や、そのために強化しないといけない領域や差分が、誰が、何を、どのように、どこまでやる必要があるかが、数字の羅列のような事業計画が、色や感触を感じさせるかのように、ストーリーを感じさせてくれるようになります。

 

こうして作られた年度予算と月次等の実績値との予実管理が、単に数値の大小比較で終わるのではなく、売上、利益が仮に未達であっても、新規商品を買ってくださる新規顧客の獲得数が目標を上回っていたとすると、次には新規と既存顧客のリピート率がモニターすべき指標になり、リピート率が追い付いてくれば、戦略と実施する実行施策は適切で、残念ながら想定よりも結果が出るタイミングが遅れているだけで、その施策を着実に、強力に進めていくという経営判断をすべきと、マネジメントは判断すべき状況といえます。

 

多くの企業が、結果指標であるPLの予算と実績の大小比較を予実管理として行っているかと思いますが、財務数値のベースとなる非財務数値(たとえば、売上高の製品ごとの販売数量や販売単価、地域別、営業マン別数値等)を、結果指標よりも先行指標的に把握することで、より具体的で、実践的な予算管理活動に活かしていただくことが出来ます。

 

 

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