リスクを取る事とギャンブルとの違い

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よく、ビジネスやスポーツで成功率が高くない状況でも前に進む際に、「リスクを取る」という表現が使われます。

 

小さくまとまったり、恐怖心におびえて後ろ向きな行動をとるよりも、勇気を奮う行動に対して、応援されたり、称賛されたりするかもしれません。

 

ただ、ここでビジネスパーソンとしては、考えてみてはどうかと思う視点があります。

 

それは、勢い余って、成功確率の低い施策を採用しているのではないかということです。

 

アメリカンフットボールでは、4回の攻撃機会の間に、10ヤード進まないと攻撃を継続できないのですが、4回目の攻撃機会で10ヤードを獲得できていなければ、相手に攻撃権を渡す必要があるために、相手の次の攻撃を少しでも不利にするために、パントというキックで出来るだけ相手陣地の奥深くにボールを蹴って、4回目の攻撃権を実施するのが、正攻法とされています。

 

しかし、試合の後半に相手チームにリードを許しているとか、あと1,2ヤードで自軍の攻撃が協力だと認識した場合は、ギャンブルと呼ばれますが、失敗したらその場所で相手に攻撃権を譲らざるを得ませんが、その残り数ヤード以上を獲得すると、さらに継続して攻撃を続けることができます。

 

これをアメリカンフットボールでは「ギャンブル」と呼びますが、実際には、相手チームと自分たちの実力、得手不得手、当日の状況等を冷静に分析/検討して、ある程度の成功確率が見込める作戦を実施します。

 

私はこの適切な状況判断と、ここで失敗することの結果が及ぼす影響を踏まえた、作戦の実行は、ギャンブルと呼ばれてはいますが、リスクを取った行動といえると思います。

 

リスクを取るということは、下記の3つのステップで検討することが推奨されています。

 

1,リスク特定 (risk identification) – リスクを発見し、認識し、記述するプロセス

どういうリスクが考えられるかを洗い出してみる

2,  リスク分析 (risk analysis) – リスクの特質を理解し、リスクレベルを決定するプロセス

上記の各々のリスクがどういう性質、どういう発生確率、どのくらいのインパクトがあるかを分析、把握する

3,リスク評価 (risk evaluation) – リスク(とその大きさ)が受容可能か(許容可能か)を決定するためにリスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセス

リスクをゼロにしてしまうことが無理だとしても、どういう対応をすることで、そのリスクをとって、前に進めるかどうかを判断する

 

これは、上記のアメリカンフットボールの4回目の攻撃権実施に際して、ギャンブルと呼ばれている行為とほどんど同じだと言えます。

 

一方、単に気合と根性で、立ち向かうとしている行為であれば、まさに無謀なギャンブルと同等の行為、確からしさとしか言えません。

 

娯楽として、余裕資金で海外のカジノで遊ぶギャンブルは別として、ビジネスで行う意思決定はギャンブルに委ねず、適切に把握、分析したリスクを取る行為とすべきだと考えます。

 

 

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