読める漢字と書ける漢字

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みなさんは、読める漢字の数と書ける漢字の数では、どちらが多いでしょうか?

おそらく、読める漢字の数のほうが多いのではないでしょうか?

 

普通に新聞や雑誌を読むのに困ることはなくても、いざ、書こうとすると書けないことがあるかと思います。

特にPC等で漢字変換を利用すると、学生時代よりも書ける漢字の数は少なくなっているかもしれません。

 

これは、ビジネスの世界でも同様のことが起こっています。

 

私は、CFOやコントローラー等の経理部門幹部向けの人材紹介業を通じ、多くのCFOを志望されている転職希望者の方々とお会いします。

また、企業向けの財務管理向上に向けた研修をさせていただいており、受講生の方に接しています。

 

そこで、感じることが、「正しい知識をたくさん知る、覚えること」がとても重要だと思っている方が非常に多いことです。

しかしながら、実際のビジネスの現場では、目の前に起こった事象に対して、適切に処理、解決をすることが求められます。

 

言い換えると、たくさんの知識を持っていても、現場で実際に使えない知識では、「書けない漢字」をたくさん知っているのと一緒で、ビジネスでは役にたちません。

 

逆に知識が豊富な方ほど、いろいろな問題点、障害に気づき、アクションが遅れたり、そもそも改善アクションが取れなかったりするようです。

 

財務会計領域では、若手のスタッフの間は、より多くの知識を習得して、業務を早く、的確に処理することが求められ、高く評価されるでしょう。

しかし、管理職、部長、CFOになってくると、様々な問題を複数視点で把握し、判断をして、最適な解決をし、現場に実行を促すという局面がたくさん生じます。そこでは、野戦病院や救急救命部隊のように、「正しい」ことよりも、「適切」であることが求められます。

 

弊社では、「CFO練成道場」として、本気で財務管理スキル(ナレッジではありません)を向上させたいという方向けに、アウトプット中心で、各参加者がつまづき、痛い思いをする中で、ご自身の実践力をあげていただくお手伝いをしております。

毎回、予定時間をオーバーして、議論が盛り上がります。

知識の正解はひとつでも、実際の施策は必ずしも、ひとつとは限らず、参加者おのおのが最適なアクションを持っているので、誰が正解ではなく、そういう考えもあるよね?、これはどう?といった具合に、具体的な議論になるために、「空中戦」で終わらないためです。

 

小学生のころ、漢字ドリルで正しく漢字を書く練習をされたかと思いますが、面倒くさく、つらかったですよね?

でも、書ける漢字は確実に増えたはずです。

 

ビジネスの場においても、現場で使えるスキルを増やすためには、勇気をもって、行動をすることで「書ける漢字」が増やしていけると考えます。

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