税務担当ではなく、ビジネスマンとしてのコメント

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ある時、米国本社を絡めて新規事業を行うに際して、税務上気になる課題が想定されました。当時の上司は私に、「この件、調べて報告をしてくれ」と指示されました。

 

私は、もともと、会計事務所で税務担当をしていたので、税務上の取り扱いを調べることは、慣れているといえば慣れているので、該当する領域の規定を法律、施行令、施行規則、取扱通達等を調べて、論点整理をして、上司に報告しました。

 

私としては、短時間によく調べてくれたね、ありがとうと、ほめられなくてもねぎらいの言葉くらいはあるかと期待して、少し誇らしげな気持ちでいました。

が、しかし、「君には、法律の規定を調べることだけではなく、この状況に当社がどう対応するかを『ビジネスマンとして』提案して欲しかったんだ」と。

 

その上司は、スタンフォード大学のビジネススクールを出て、某大手外資系企業での幹部経験者。「調べて報告をくれ」という真の意味を理解出来ていなかった私の未熟さの表れで、その後、ビジネスマンとして、責任者として問題を解決するという観点で考え・行動する非常に大きなきっかけとなり、同じくらい悔しい思いをした20代後半の出来事でした。

 

マネジメントは結果責任、いろんな事をたくさん知っているだけで、使いこなして価値創出ができて初めて評価を得られる、若い頃からこのマインドをもって仕事をすると、アウトプットのクオリティは大きく変わるのではないかと思います。

 

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