実務家としてのCFOが留意すること

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改めて言うことではないですが、企業のCFOは実務家であって、学者でもコンサルタントでもありません。

 

 

ところが、資金調達、会計基準、税務等のCFOの対象業務の知識、それも高度で正確な知識を求めている方が多いように感じます。

もしくは、その知識をたくさん持っている人に対して、劣等感を感じる方も結構おられます。

転職相談をさせていただく中で、こういう方に割りと多くお会いします。

 

 

でも、CFOは実務家なんですよね。

 

 

ここで、重要なのが、「正確さ」と「適切さ」の違い。

 

 

これは、似ているようで、実はまったく違います。

 

 

CFOは、極端な表現ですが、「だいたいこんな感じ」って、ハイレベルで全体の概要をつかむことのほうがはるかに重要です。

「木を見て、森を見ず」に陥らないこと。

まさに、正確さよりも、適切さが重要。

 

 

この、「だいたい」って、感覚を、持っているかどうか?

もしくは、「だいたい」って感覚で判断する勇気を持てるかどうか?

 

 

このだいたい感が持てると、懸念事項、領域がある場合には、専門家のアドバイスを受けることもできるし、その領域に詳しいスタッフを採用することもできる。

すべて、自分が知っておく必要なんて、ないんです。

 

 

それでなくても、多忙なCFOがCFOたる責任を果たすために、自らが細かな領域に入り、かつ正確な知識をもって、詳細な分析を行うことは、受け取っている報酬に対して、バランスが悪いと言わざるを得ない。

 

 

一握りの超天才や、記憶力抜群な方は、正確性と適切性の双方を実現するかもしれないが、普通の人がベリーベターで、求められるレベルの仕事をするなら、このだいたい感をもった「サクッとアセスメント」は、結構有効です。

 

 

正確性の追求という無限の領域に踏み込むのではなく、時間とコストという有限の資源の活用を最大化すべく、建設的な意味での「だいたい感」を活かしてみることを推奨したい。

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