ROE改善にはROAの改善が有効策?

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ここ数年、上場企業はROEの改善、強化が求められています。

 

ROE(Return on Equity)は、株主が株を買った価格(投資金額)に対して、どれだけ利益を創出できたか、要は投資利回りを上げましょうということです。

 

増収増益とは、売上、利益が前期実績と比較して、増加していることを言いますが、これは足し算、引き算の結果です。

 

一方、ROEは率(%)で表されますから、割り算の結果です。

つまり、同じ率を改善しようとすると、利益を出し続けていくと、求められる利益の絶対額も、増やし続けないと、ROEは減少してしまうことになります。

 

ということは、増収増益もとても大きな努力が必要でしょうが、ROEを継続的に改善していくには、どういうアプローチで改善していくかという戦略的な意図をもったプラニング、それも複数年度を視野に入れた中期経営計画をもとに、単年度では多少の増減が生じようと、ROE、ひいては企業価値を高めていく経営の実践が必要です。

 

実際にこれをやってみるとわかりますが、この率の継続的改善は、最初は頑張りでなんとかなりそうな気がしますが、だんだん、年数を経過していくと、ボディブローのように効いてきて、本質的な取り組みが求められます。

 

そして、連結子会社というグループ企業を含めて、ROEの改善に取り組むのは、さらに複雑性が増えます。

 

グループ企業の中には、事業開始から年数も経過し、潤沢な利益を出せている企業もあれば、新しいマーケットに参入して、日が浅く、利益レベルも十分ではない企業もあるでしょう。

 

また、生産子会社、研究開発拠点のように、プロフィットセンターではなく、コストセンター的な位置づけのグループ会社もある中、グループ会社すべてに、ROEの改善を求めるのも、適切ではない可能性が高くなります。

 

そこで、デルタウィンでは、予算編成、中計策定時点で、グループ会社には、ROEではなく、ROAの目標設定をすることをお薦めしています。

 

どれだけの利益を産み出すのに、いくら資金が必要か?

まさに、ROA(総資産利益率)です。

 

本社財務部門、CFOは、この必要資金をいかに調達するかに加えて、D/E Ratio(負債と資本の比率で、ROEのEを決める大きな要因)を考慮した資金調達を実施することを検討されては如何でしょうか?

 

グループ会社にROEの改善を求めると、グループ会社各社がこの取り組みを行い、結果として連結財務諸表が、想定したD/E Ratioと利益の創出ができるかには、不安定要素が多すぎて、なかなかCFOを含む経営陣が、ROEを含むフィナンシャルマネジメントを実施するには、事後的なアクションしか取れずに、ROEの改善が難しいとされているように思われます。

 

ROAのA(総資産、簡単に言うと、どれだけ資金が必要か)を本社財務とグループ各社の経営陣とのコミュニケーションの「のりしろ」にしてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

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