暫定対応の積極的実施の効用
【課題解決のための暫定対応の積極的実施の効用】
事業を展開していくと、日々、課題に直面し、その解決に奔走させられるのは、皆さんご経験のとおりかと思います。
CFOを含め、企業の経営陣は予算、時間、難易度等の制約を検討し、対応策をたて、組織で解決にむけて対応していくこととなります。
その際に、あっちをたてればこっちがたたずというケースが多く、なかなかWin-Winで完全な解決策を講じることが難しい。
早く解決すべき、でも、良い加減な対応で、余計に事態の悪化を招いたり、想定以上に時間をかけたくない。。。
また、上司からは「これで本当に大丈夫か?」
そんなこと聞かれたって、やってみないとわからない・・・
こういうジレンマに悩まされることも多いのではないでしょうか?
そこで、考え方として、必ずしも、最初から完璧な恒久的対応をする必要はないのではないか?ということ。
根本的な治療ではなく、「傷口に絆創膏を貼る」という表現は、あまり適切な解決法ではないときに使われるたとえです。
暫定対応という言葉からは、同じようなニュアンスを感じます。
でも、ちょっと違った視点で、暫定対応を考えてみたい。
暫定対応、予算や、検討や対応にかける時間、対応者のスキル・力量、社外への影響等の多様な制約の中で、とりあえず、今できることをやってみて、状況を緩和させて時間をかせぎ、根本的な恒久対応を施すまでのつなぎとでも言えばいいでしょうか。
暫定対応をしてみることで、気づきや、学びが得られます。実際にやったんですから、必ず得られます。
テストマーケティングのようなものです。
そうすると、後で実施する恒久対応策の完成度、適性度が、必ず向上します。まさに、恒久対応になります。
また、担当者は、最終的には、あとで恒久対応があるので、気楽に始めることができる。
もちろん、問題が生じていますので、真剣に取り組むとしても、まだ、気分的には楽ではないでしょうか。
ということは対策実施の心理的ハードルが低い。
そして、少なくとも、暫定対応と恒久対応だけでも、2回実施するということは、実施回数が増えます。
暫定対応もいくつか繰り返すことがあると、もっと回数が増える。
これは、社員のオンザジョブトレーニング、練習の機会が増えるということ。
同じことをやるとしても、繰り返すと、必ず上手くなります。
だとすると、完璧なプランを時間をかけて検討して、一発勝負をするよりも、結果的に問題解決をする近道かもしれません。
ビジネスにスピードが求められるこの時代、積極的な暫定対応を進めることも検討してみては、いかがでしょうか?